評価ボードFPGAの勉強を始めたから実際に基板がほしい。
でも種類が多いし、値段は高いし、どれがいいのか悩む・・・、という方に参考になりそうな内容を整理します。(2019年夏の時点での情報です)
目次
- 1. MAX1000がおすすめ
- 2. 選定基準
- 3. 評価ボード購入のススメ
- 3-1. 実機で動作確認できる
- 3-2. ドキュメント類が手に入る
- 3-3. モチベーション維持に
- 4. 仕様面からの選定
- 4-1. 搭載FPGA
- 4-2. PCとの接続
- 4-3. FPGA周辺回路
- 4-4. 最新デバイスがいいの?
- 4-5. 決め手は価格と入手性でいいと思う
- 4-6. メーカーにはこだわらなくてOK
- 5. おすすめはMAX1000
- 6. おまけ
- 6-1. 開発言語について
- 6-2. 僕が持っている評価ボード
MAX1000がおすすめ
いきなり結論ですが、アルテラのMAX10が実装されているMAX1000がおすすめです。
価格は3,000円程度で、USB接続するだけで電源供給とFPGAへの書き込みとができます。サイズもコンパクトです。
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選定基準
価格と入手性で選びました。
あとは、入門用ということで「手軽に使える」という点です。逆に「何でもできる」高価な評価ボードもありますが、ステップアップしてから考えればいいと思います。
LEDを点滅させて動作を確認するのがいいと思いますので、LEDが多い基板を選ぶと楽しいかも。LEDとスイッチは他の基板を選んでも載っていると思うので、スイッチON/OFFでLEDを制御して確認していくと楽しいと思います。LEDを使わないとなるとオシロスコープを使って波形を確認とかになるので大変です。
評価ボード購入のススメ
実機で動作確認できる
これが実機を購入する最大の目的で、購入をお勧めする最大の理由です。
入門本を見て学習を進めているうちはシミュレーションで動きを見て納得。そこで完結してもいいんですが、自分で何かを作りたいと思えたなら実機でLEDを点滅させたり、スイッチを触ってみて慣れてしまうのが近道だと思います。
ドキュメント類が手に入る
評価ボードを購入すると(製品によっては購入しなくても)、回路図や部品リスト、基板のパターン図などをダウンロードすることができます。MAX1000は購入前から情報入手できましたが。
例えば回路図が入手できると、FPGAの内部回路を設計するだけではなく、周辺の基板回路がどうなっているかも調べることができます。FPGAとRAMやROMとの接続、電源回路、IO回路などです。
モチベーション維持に
これは人によりますが、購入してしまった以上やるしかないと思えるタイプなら強力なモチベーション維持になります。コンパクトで見た目がきれいな基板もあるので、あまり怖がらずに手を出してしまうのもありと思います。
仕様面からの選定
搭載FPGA
現在普通に入手できるものなら何でもいいと思います。価格も含めると現実的には、アルテラのMAX10かCyclone10、ザイリンクスのZynqあたりになりそうです。
PCとの接続
1つのUSB接続でJTAGと電源供給ができたら便利です。
別々の場合はケーブルが2本必要で煩わしいし、プログラミング用のケーブルを別途購入しないといけない場合があります。(評価ボード上にプログラミング用回路が載っている場合は専用ケーブルは不要ですが・・・そういう基板はほぼ電源と共有のUSBです。)
僕が持っているMAX10 Evaluation Boardは、基板上のUSBコネクタは電源共有専用でプログラムの書き込みはできませんでした。なので、USBブラスター的なものを購入するか自作する必要がありました。結局自作しましたが、それまではただ電源が入るだけのボード、それ以上でも以下でもなかったです。
FPGAとFT245Rの書き込み 【自作USBブラスター】 | てつふくブログ
USBブラスター的なものの製作。FTDI社製のUSBシリアル変換ICのIDを書き換えて、PCからUSBブラスタートして認識させる方法です。
FPGA周辺回路
基板上にFPGA以外にどんな部品が実装されていればよいかを考えます。
LEDとスイッチ類(スライドスイッチやプッシュスイッチ)、拡張用コネクタがあればいい感じです。とはいっても、「FPGAとLEDしか載っていない評価ボードってあるの?」ってぐらい何かは実装されているのであまり気にしなくてもいいと思います。
ほかにはデータを保存しておくためのフラッシュROM、RAMもあります。クロック源(水晶発振器など)も1つか2つ実装されていると思います(クロックがないとFPGAなどデジタル部品が動けないので)。
ということで、「何でもできる」を求めていない今は深く気にしなくてもいいと思います。
最新デバイスがいいの?
基本的には、最新というより市場によく流れているもの、つまり普通に入手できるものでいいと思います。
あまりにも古いデバイスは評価ボード自体が生産中止や在庫切れ入手が難しいかなと思います。逆に、メーカーが供給を開始して間もないぐらい新しいデバイスを考えると、メーカー純正品のような高価な評価ボードしかなく、途中で行き詰まっても解決策の入手が難しいです。そもそもFPGA設計の情報はWebで探してもなかなか見つからないんですよね。特に日本語では。
決め手は価格と入手性でいいと思う
上記を総合して、僕のおすすめはMAX1000です。価格は3,000円以下ですし、ネット注文で普通に買えます。
2011年頃なら同じ理由でSpartan-6 LX9 MicroBoardをおすすめしたんですが、さすがに現在では入手できなさそうでした。性能は安定していていいボードでした。
ここでは、MAX1000をおすすめはしていますが好みで選ぶのもいいと思います。愛着がある方がいいです。例えば次のようなところで探せます。
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メーカーにはこだわらなくてOK
FPAGの2大メーカーといいえば、アルテラとザイリンクス。アルテラはインテルに買収されてインテルになりました。ほかにラティスセミコンダクターなどがありますが、今の段階であえて選ぶ必要はないと思います。
アルテラ、ザイリンクスともにWindowsとLinuxで動作するフリーの開発環境があります。(アルテラはQuartus Prime、ザイリンクスはVivado)。両社ともに各開発環境で使用できるフリーのロジックシミュレータも提供してくれています。
おすすめはMAX1000
せっかくこの記事にたどり着いてくれたのなら、悩むぐらいならMAX1000を買ってしまいませんか。わからないことがあれば僕でよければフォローしますので。
自分が書いたハードウェアが動作するとうれしいですよ。PCからダウンロードしているときのドキドキと、コンフィグ完了しても動かないときの落胆を笑
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ステマっぽいけど違います。独断と偏見なだけです。
おまけ
開発言語について
Verilig-HDLかVHDLかもこだわらなくていいと思っています。迷っているならVHDLにしておけばいいかなと。記述量は増えるけど厳密に記述しないとコンパイルエラーが出てくれて、意図しない動きを減らせると思います。
僕が持っている評価ボード
MAX1000
アルテラのMAX10が使えるおすすめボード。安価でコンパクトだし、USBでプログラムを書き込めて電源供給もされる。
PYNQ
ザイリンクスのZynqが使えるボード。PythonでFPGAを動かそうと思って購入した。今のところ優先度低め。
PYNQ – Python productivity for Zynq – Home
PYNQ is an open-source project from Xilinx that makes it easy to design embedded systems with Xilinx Zynq All Programmab
MAX 10 FPGA Evaluation Kit
アルテラのMAX10が使えるボード。1年か2年前に、DigiKeyで安かったから買ってみた。電源はUSB接続、PCとの接続はJTAGコネクタで不便。Arduinoのシールドを取り付けられるコネクタ配置なので拡張の余地あり。
MAX V CPLD Development Kit
アルテラのMAX V CPLDが使えるボード。持ってるはずだが見当たらない。大したことはできないと記憶。
Altera’s MAX V CPLD Development Kit allows customers to evaluate and prototype designs targeting MAX V device features.
ZedBoard
ザイリンクスのZynqが使えるボード。前の会社を退職するときに同僚にあげました。使ってくれてるかなぁ笑
ZedBoard™ は、ザイリンクスの Zynq®-7000 SoC をベースとする低コスト開発ボードです。このボードは Linux、Android、Windows® あるいは他の OS/RTOS ベースのデザインを作成するのに必要なものがすべて含まれています。さらに、いくつかの拡張コネクタは、処理システムとプログラマブル ロジック I/Oを公開してユーザのアクセスを容易にします。Zynq-7000 SoC と緊密に結合された ARM® 処理システムと 7 シリーズ プログラマブル ロジックを利用して、ZedBoard でユニークで強力なデザインを作成します。
ZedBoard キットは、www.zedboard.org コミュニティ ウェブサイトでサポートされており、このサイトを通じてユーザーは Zynq デザイン開発を行っているほかのエンジニアと協力できます。
Spartan-6 FPGA LX9 MicroBoard
ザイリンクスのSpartan-6が使えるボード。デバイスが古いけど、MAX1000同様でコンパクトで便利。ちょっとしたときに治具のように使ってたり、インターンシップのネタにして学生さんに触ってもらったりもした。
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