MAX 10はADC (アナログ・デジタル・コンバーター)を内蔵しています。Intelの公式動画に沿って内部温度を読み取ってみましょう。
この記事を読むとこんなことがわかるようになります。
- MAX 10のADCの使い方がわかる
- Platform Designer (旧Qsys)の最低限の使い方がわかる
- ALTPLLの最低限の使い方がわかる
- IO制約とタイミング制約の最低限の使い方がわかる
- System Consoleの最低限の使い方がわかる
MAX 10のADCの概要と、実験に使った開発環境と評価ボードについて書いた後に、実際のデザイン作成について説明します。
- 1ページ目:MAX 10 ADC概要、参照URL、開発環境、評価ボード
- 2ページ目:Quartusプロジェクト作成、Platform DesignerでADCを構成
- 3ページ目:トップモジュールへの組み込み、制約、コンパイル、書き込み
- 4メージ目:System ConsoleでADC(TSD)の値を確認
(2020/12/31追記) プロジェクトのファイル一式をGitHubにアップしました。
https://github.com/tetsufuku81/max10_10m08_adc/tree/dev_adc_internal_temperature
(開発環境: Quartus Prime 20.1 Lite Edition)
GitHubからファイルをダウンロードする方法【2020年12月追記】 | てつふくブログ
GitHubからファイルをダウンロードする方法。git cloneまたはZIPファイルでリポジトリ全体をダウンロード方法に加えて、個別ファイルの保存方法を説明しています。GitHub CLIコマンド取得についても紹介。
目次
MAX 10のADC
MAX 10 FPGAには1MHzのSAR ADCが内蔵されています。
項目 | シングル電源 | デュアル電源 |
---|---|---|
ADCブロック数 | 1 または 2 | |
チャンネル数 | アナログ専用ピン:1 または 2 汎用IOとの兼用ピン:8 または 16 | |
温度検知(TSD) | 1 | |
最大サンプリングレート | 通常チャンネル:1MSPS 温度検知:50kSPS | |
ADC部の電源 | メイン電源と同じ電圧 (VCCA) | 2.5Vと1.2V (VCCADC, VCCINT) |
測定レンジ | 0V~3.0V/3.3V (最大値は電源電圧による) | 0V~2.5V |
温度検知ダイオード(TSD)は、シリコンダイオードのVF(順方向電圧降下)電圧の温度特性を利用して温度を検知します。2mV/℃で、高温になるほどVFが下がります。
参考URL
YouTube
Intel公式のYouTube動画に沿って進めます。参考にしたのは次の2つ。
データシート
- MAX 10 FPGA 評価キットのドキュメント
- Intel® MAX® 10 Analog to Digital Converter User Guide
- MAX 10 アナログ-デジタルのコンバーター・ユーザーガイド (日本語版)
製作の流れ
- Quartus Primeでプロジェクト作成
- Platform DesignerでADCと周辺モジュールを構成
- トップモジュールに組み込み
- 制約(IO、タイミング)
- コンパイル
- MAX 10にsofファイルを書き込み
- System Consoleで動作確認
この流れで温度モニタのデザインを作っていきましょう。
FPGA学習方法の提案
デザインを始める前に、余談ですが、FPGAの学習コースを紹介します。選択肢の提案です。
申し訳ないですが、僕のレビューはレビューはありません。
その代わり、FPGA学習の質問や相談には喜んでお答えしますので、問い合わせフォームからご連絡ください。
開発環境
PC環境と開発ツール
- PC環境:Windows 10 Home (64bit)
- FPGA開発環境:Quartus Prime 20.1 Lite Edition
Quartus Prime Lite EditionのダウンロードはIntel FPGAのダンロードページからどうぞ。
Download Center for FPGAs – Get the complete suite of Intel design tools for FPGAs
評価ボード
- MAX 10 FPGA 評価キット (EK-10M08E144ES/P)
このボードにはダウンロード機能がないので、USB Blasterなどを別途用意する必要があります。
私は自作の「USB Blaster的なもの」を使います。
使用可能なMAX 10評価ボード
MAX 10 FPGAが載っていればほかのボードも使用可能です。
入門向けの安価なボードの購入ページを2つ貼っておきます。
BEMICRO MAX10
BEMICRO MAX10 アローデベロップメントツールズ 評価開発ボード、キット、プログラマ プログラマブルロジック評価開発ボード・キット Arrow Development Toolsの販売、チップワンストップ品番 :C1S121300002065、電子部品・半導体の通販サイト、チップワンストップは早く・少量から・一括で検索、見積、購入ができる国内最大級のオンラインショップ。試作、開発、保守、緊急調達に国内外優良トップメーカーの即納在庫販売と豊富な商品データベースでお応えします。
MAX1000
MAX1000 アローデベロップメントツールズ 評価開発ボード、キット、プログラマ プログラマブルロジック評価開発ボード・キット Arrow Development Toolsの販売、チップワンストップ品番 :C1S121300000535、電子部品・半導体の通販サイト、チップワンストップは早く・少量から・一括で検索、見積、購入ができる国内最大級のオンラインショップ。試作、開発、保守、緊急調達に国内外優良トップメーカーの即納在庫販売と豊富な商品データベースでお応えします。
この2つの評価ボードは、この記事で使っている評価キットよりもおすすめです!USB Blasterが不要だからです。USB Blasterは数万円するので購入は難しいですよね。
この記事で使うEK-10M08E144ES/Pは、USB Blasterが別途必要なんですが、到着して実際に使う場面で初めて気づきました。
では、次のページで実際にデザインを作っていきましょう。
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