5V駆動LEDでM5StickCのGPIOポートにかかる電圧

アイキャッチ

製作したLED拡張基板の回路の補足です。
GPIOポートにかけてもいい電圧は最大3.3Vなんですけど、LEDの駆動電源に5Vを使ってるんですよね。この回路で本当に大丈夫なのか考察します。

OutputができないM5StickCのGPIOに合わせて設計変更 | てつふくブログ

目次 1. M5StickCは壊れていない? 2. 入力専用ピンだった 3. 設計変更 3-1. 回路 3-2. プログラム 4. 動作確認 5. エビデンスはどこ? M5StickCは壊れていない? 昨日の記事で青色LEDを制御するGPOが壊れているのかと考えていました。 M5StickC LED拡張基板の製作2

結論

結論から言うと、仮に制限抵抗が0Ωだったとしても大丈夫です。

LEDのVF(順方向電圧降下)分だけ必ず電圧が降下するから5VがGPIOピンにかかることはありません。

GPIOポートにかかる最大電圧

回路図を確認

製作したLED回路の回路図とLED周りの計算式です。

制限抵抗回路図
LED電流計算
 

左側のコネクタの先で、LEDのアノードが5V電源に、カソードは制限抵抗を介してGPIO (0V/3.3V Output) につながっています。GPIOの出力がLow(0V)のときにLEDが点灯、High(3.3V)のときに消灯です。

制限抵抗がない(0Ω)のとき

回路図を少し修正しました。アノード側(図の上側)は5Vにつながっていますので、常に5Vがかかっています。抵抗は0Ωにしています。

LED回路図

CN1の接続相手はハイインピーダンスとして、CN1の各ピンの電圧(=LEDのカソード電圧)を求めます。計算は簡単で、5VからVF分を引き算すれば求まります。抵抗値が0なので抵抗の存在は無視。

ロケーションLEDの色電源電圧 (V)VF (V)GPIOピン電圧 (V)
LED451.83.2
LED553.31.7
LED653.31.7

表のGPIO電圧の値が制限抵抗がないと仮定した場合にGPIOの出力ピンにかかる電圧です。想定されるのははんだづけミスで短絡してたりする状況ですが大丈夫です。M5StickCは壊れません!

通常動作中の状態

制限抵抗があってGPIO出力がLow

LEDのVF分を引いた電圧(=電源電圧-LEDのVF)が抵抗にかかります。

  • 電圧が高すぎたり
  • 抵抗値が低すぎたり

して抵抗の定格消費電力を超えない限り、GPIOピンは安定してLow(0V)を出力できます。

制限抵抗があってGPIO出力がHigh

GPIOがHigh (3.3V) のときです。LEDは消灯しています。

LEDが点灯する条件は下記ですが、消灯時はこの条件を満たしていません。

  • 順方向にVF以上の電圧がかかる
  • そして電流が流れる

LEDにかかる電圧

LEDの両端にかかる電圧は、抵抗での電圧降下がないとすると [tex: 5 – 3.3 = 1.7 \mathrm{V}] です。

ロケーションLEDの色VF (V)電源電圧 (V)GPIOピン電圧 (V)LEDにかかる電圧 (V)
LED41.853.31.7
LED53.353.31.7
LED63.353.31.7

この表のようにすべての色でLEDにかかる電圧がVFよりも低いのでどのLEDも点灯しません。

電流について

下図はこのLEDのI-V特性(電流と電圧の関係)のグラフですが、LEDにかかる電圧が低いとLEDには電流が流れないことが示されています。(LEDの一般的な特性です)

LED I-V特性

このときLEDに電流は流れないので、同じ経路上の抵抗にも電流が流れません。そのため抵抗値にかかわらず電圧降下はゼロとなります。V = IRI がゼロなので V もゼロ。
(グラフをしっかり確認すると赤色LEDに少し電流が流れていそうですが・・・)

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